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経営戦略策定に当たって留意すべきこと

 

 

 経営戦略は、経営理念に基づいて設定されたビジョンを実現するための道筋である。しかし、それはフリーハンドで策定されるものではない。第一に考えなければならないことは、企業が持続的に優位性を保てるものであることである。そのためには、その戦略を遂行するにふさわしい体制(組織)を整えることも必要になるだろう。具体的には、競合相手との市場競争において、自社が優位に立てるポジションを占めることである。

 第二に、経営資源には限りがあるわけであるから、とり得る戦略のうちで優先順位をつける必要がある。つまり、その戦略遂行のために投入できる経営資源や時間、人材などを効果的かつ経済的合理性を念頭において策定する、いわゆる選択と集中が求められる。戦略策定のプロセスを考えると、経営理念をもとにしたミッションに沿うというだけのものではないから、市場の不確実性をどのように読み込むかが問われるところでもある。

 第三に、すでに設定されている全社的基本方針との整合性である。すなわち、経営理念、ビジョン、経営戦略・戦術という一貫性のある方向を無視してしまっては、他の戦略とバランスをなくしてしまう。いわゆる部分最適と全体最適の整合性に関する難問が内蔵されているので、常にこの問題を意識して戦略策定に挑むべきであるということだ。目的を見失っては意味がないし、さりとて、全体最適も無視できない。

次に経営戦略策定のプロセスを知ることも押えておきたい。そもそも、競争を挑もうとしている市場の不確実性をどう読み込むかいっても、具体的な手掛かりがなければ、前に進めないから、まず、既存の環境を読みことから始めなければならない。環境には、国際環境、自然環境、イデオロギー、法改正、労働力人口、景気動向、消費者動向など様々ものがあり、これらをどう読み込むかも、やはり戦略策定の目的によって重要度が違ってくる。

いずれにしても、経営戦略の策定には、環境分析、ドメイン(事業領域)設定、戦略策定というステップを踏むことになるが、やはり最も重要なのは自社の経営資源、それに財務内容である。というのも、戦略計画を策定しただけでは文字通り絵に描いた餅である。それを稼働させなければ成功も失敗もあり得ない。ということは、戦略の策定・実行には相応の予算付けが必要であるからであるから、財政的な裏づけ夢が不可欠である。

 それからもう一つ認識しておかなければならない概念がある。それは、ドメイン(事業領域)の設定である。よく質問を受けることの一つが、ドメインのことである。その中でもドメインなどは必要ないのではないかというのが意外と多い。実際に第一線で稼働している企業戦士は、売上のノルマを達成するためには、顧客が望むものであれば、何でも売っていいのではないかというわけだ。しかしそれは違う。これこそが部分最適の典型である。

投稿者: 菊田富雄 | 日時: 2021年1月 8日 | カテゴリ: 経営戦略

  


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